楊宅

YANG MANSION

楊邸台中市

この基地は台中の豐原区に位置しており、オーナーの要求は機能性を重視した空間設計です。設計の初期段階で、私たちは家族一人一人のニーズを十分に考慮し、各エリアがその機能を最大限に発揮できるように配慮し、また家族間の交流を大切にしました。オーナーが求めた共用の読書室、広々としたダイニングエリア、エレベーター、孝親部屋、独立したバスルーム、ウォークインクローゼット、メイドルームなどのニーズについては、最初の計画段階で詳細に検討し、動線のスムーズさと生活の利便性を確保しました。

開放と繋がりのある空間

私たちは「空間の透過性」をデザイン理念として提案し、開放的および半開放的な空間設計によって、全体をより広々と感じさせ、壁の制約を超えて視界が開かれ、空間感覚が自然に広がるようにしました。玄関を入ると、正面には大きなガラス窓が広がり、外の緑が溢れ、2階へ続く透過的な階段と相まって、自然で静かな雰囲気を作り出します。

リビング、ダイニング、キッチンまでが一体となったデザインにより、視覚が限りなく広がり、建物を簡単に越えて後ろの庭の美しい景色まで見通すことができます。このような開放的な空間では、家族間の交流がより自然で頻繁になります。

自然光の天井

透天長型の建物は採光に関する課題を抱えがちですが、自地自建の利点は、設計の初期段階でこの問題を考慮し、最適な解決策を見つけ出せることです。

私たちは天井を建物中央に設計し、自然光を室内に取り入れるようにしました。日光が各階に自然に降り注ぎ、室内空間を明るくします。天井の位置は、自然光を最大限に活用でき、家庭のプライバシーも保護します。このデザインにより、各寝室は日光を享受し、天井を通じて家族との交流ができるようになり、上下階でお互いの存在と温もりを感じることができます。

多機能エリアのデザイン

透天住宅は広い活動空間を提供しますが、時には家族間の交流が減少することもあります。そこで、大家族のメンバーがより親密になれるように、家族が一緒に過ごせるスペースをいくつか設計しました。開放的な1階の空間や天井により、家族が常に顔を合わせて会話ができるだけでなく、特別に設計した多機能室も設けました。この部屋は、家族のニーズに応じて用途を柔軟に変更でき、ゲームルーム、読書エリア、エクササイズルームとしても利用可能で、空間の自由な活用を実現しています。

シンプルな外観デザイン

オーナーはシンプルな白を基調としたデザインスタイルを好んでおり、そのため建物の外観デザインでは虚と実を組み合わせた手法を用いました。前後に移動する立面デザインとフレーム構造を通じて、白い建物は単調ではなく、層を成す視覚的な焦点が生まれ、シンプルな質感を保ちながら、建物に独自の個性と特色を与えています。

楊邸のデザイン理念は、空間の透過性と家族の核となる概念を貫き、光と空間の相互作用を巧みに活用して、各エリア間の自然な流通を実現しています。開放的および半開放的、虚と実を組み合わせたデザイン手法により、実用性を持ち、さらに深い意味をもたらす空間となっています。